細胞は、その生命活動の過程で様々な物質を体内に分泌しています。細胞から分泌される50nm〜5000nmの 細胞外小胞(Extracellular Vesicles)のうち、直径が50〜150nm程度の微細な小胞を 「エクソソーム(Exosome)」と呼びます。

エクソソームの構造と成分

エクソソームは、細胞膜と同じ「脂質二重膜」によって構成されています。その内部や表面には、親細胞から受け継いだ 多種多様な物質が含まれています。

  • タンパク質:多様な主要サイトカイン(Cytokines)が含まれており、主に抗炎症、免疫調節、および組織修復を担っています(例:IL-10、IL-4、TGF-β、VEGFなど)。
  • 核酸:DNA、mRNA、そして細胞制御に重要な役割を果たすmiRNA(マイクロRNA)などが封入されています。
エクソソームの粒子径測定
エクソソームの粒子径測定
冷凍電子顕微鏡下のエクソソーム
冷凍電子顕微鏡下のエクソソーム

細胞間の「メッセージ物質」としての役割

特定の物質を内包したエクソソームは、細胞から分泌された後、体液(血液や唾液など)を介して体内を移動します。 目的地に到達して他の細胞に取り込まれると、内部に含まれるタンパク質や核酸がその細胞内で放出され、特定の情報を 伝達します。

このようにエクソソームは「細胞間コミュニケーション」の重要な媒介として、生体内のさまざまな生理現象や病態に 関与していることが、現在明らかになっています。

再生医療・創薬における可能性

現在、エクソソームはその高い情報伝達能力を活かし、疾患の診断(バイオマーカー)や、標的細胞に薬物を届ける ドラッグデリバリーシステム(DDS)、さらには細胞を用いない「セル・フリー(Cell-free)」な再生医療への応用など、 多方面から大きな期待が寄せられています。

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